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2019年6月6日 : ニュース

主婦の経験 仕事でキラリ


(2019年5月31日熊本日日新聞参照)

子育てや地域活動が強みに

共働きが多数となった現在、「何となく肩身が狭い」との思いを抱える専業主婦も少なくない。ただ、主婦の経験を生かして仕事をしたり、起業したりする人も増えている。
 「せんせーい、抱っこして」「はいはい、出席簿つけてからね」。熊本市北区の植木小にある学童保育所。4年前から支援員となった村上リナさん(43)=同区=は、駆け寄る子どもに笑顔を見せた。沖縄出身。地元の職場で結婚し、30歳で夫の故郷・熊本に移住した。今は中学1年の長男、小学4年の長女を育てている。
 主婦の一日はめまぐるしい。起床は午前5時半。朝食や会社員の夫の弁当を作って家族を送り出すと、午前中に掃除や洗濯、夕食の支度をして仕事場へ。
 保育所でも、おやつの用意、宿題の見守り、けがの手当て…。ようやく帰宅すると、今度はわが子の習い事の送迎。夕食や片付けを済ませ、床に就くのはいつも日付が変わるころになる。
 支援員の仕事は、わが子と同じ年頃を相手するだけであって、子育ての経験が生きている。「表情を見ていると、どんなことを考えているのか分かる」
 総務省の労働力調査によると、共働き世帯が初めて専業主婦世帯を上回ったのは1992年。2018年の共働き世帯は全国で1219万世帯と、専業主婦世帯の600万世帯のほぼ2倍に上る。
 背景には女性の社会進出に加え、景気の低迷から共働きでないと生活できない世帯が増えたことがある。村上さんは「主婦という”本業”があるからこそ、好きな学童の仕事ができる。わが子と向き合える時間を大切にしたい」と言う。
 
同市東区の中原美紀さん(51)は、1男1女の子育てが一段落した8年前、自宅の一角に手拭い専門店「和雑貨 一花」を開業した。
 大手化粧品メーカーに就職し、結婚、妊娠を機に28歳で退職した。仕事を続けたい気持ちもあったが、家事と子育てに専念した。専業主婦だった15年ほどの間は、PTA役員を率先して務めた。「その経験が人脈づくりや、お客さんとの会話にも役立つ。無駄なことは一つもありません」と中原さん。
 県地域婦人会連絡協議会の荒木ミドリ会長(74)は「PTAや民生委員など、地域活動を支える主婦の役割は大きい」と強調する。さらに、女性が働くためにも、それを支える実家などの協力があることも指摘する。
 「家庭を支えるという役割があってこそ、安定した社会をつくることができる。共働きが増えた今だからこそ、その価値を見つめ直してほしい」