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2019年8月26日 : ニュース

働くママに「搾乳室」を


(2019年8月22日熊本日日新聞参照)

 企業 早期の復職支援

 0歳児など授乳期の子どもを育てる女性社員を支援しようと、母乳を搾るための「搾乳室」を企業が設ける動きが広がりつつある。「仕事中も母乳を出さないと胸が痛む」「冷凍保存して子どもにあげたい」。早期に職復帰した後、こうした悩みを抱え、トイレなどで搾乳しているケースが多いからだ。母子の健康面への配慮だけでなく、子育て支援の幅を広げることで、企業にも人材確保などのメリットがありそうだ。

  東京都内のシンクタンク、三菱総合研究所。社員の健康経営を掲げる同社には女性専用の仮眠室内に鍵の掛かる搾乳室が2010年4カ月の子供を保育園に預け復職した女性(31)は、昼休みなどを使い、ほぼ毎日利用してきた。

 空気圧で母乳を吸引する搾乳器で、約20分かけて約100~200ミリリットルを搾り、保存袋と目隠し用の袋に入れ教養の冷凍庫へ。帰宅時に持ち帰り、保育園で解凍して与えてもらう。「子どもが粉ミルクを飲めなかったので、搾乳室はありがたい」

 同社には子どもが3歳まで取得できる育休制度があるが「キャリアを考えて早く復職したい人がおり、幅広い選択肢で支援したい。育児の不便を減らすことで良い仕事につながれば」と人事担当者。

 搾乳器などを販売するメデラ(東京都)が実施した調査では、産後1年半未満で復職した515人のうち、職場での搾乳経験がある人は15%で、場所(複数回答)は「トイレ」が58%で最多、「搾乳室」は5%にとどまった。人は半数を超えたが、多くはトイレで捨てざるを得ない実態が浮かび上がった。

 日本助産師会の稲田千晴助産師(看護学)によると、母乳には子どもの病気のリスクを抑えるなどの効果があり、世界保健機関(WHO)は与える年齢を2歳かそれ以上までと推奨する。

  母体にとっても、長時間母乳を出さないと乳房が張り、乳腺炎の要因になったりする場合がある。出さないと母乳がつくられにくくなることもわかっており、米国では授乳や搾乳のための時間やスペースを確保することは一定の規模以上の企業に義務付けられている。

 日本でも、搾乳への理解は少しずつ広がってきた。ネット通販大手アマゾンジャパンが昨年9月、都内の新オフィスに搾乳室設置。百五銀行(津市)も15年、本店などに搾乳・授乳に使える小部屋や鍵付き冷蔵庫などのある保健室を設けた。

 稲田助産師は「母乳育児を支えることは、子どもの病気による親の欠勤を減らし、有能な人材の確保することにもつながるはず。仕事のために母乳を諦める選択がへ減ってほしい」と話した。