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2019年10月8日 : ニュース

「ブライト企業」光と影


(2019年9月18日熊本日日新聞参照)

県が、働きやすき企業として”お墨付き”を与える熊本独自の「ブライト企業」制度。5年目を迎え認定企業は約300社となり、求職者が企業を選ぶ指標の一つになっている。ただ、業務に問題があったり、従業員から不満の声が上がったりしている企業もある。

働きやすさ 県の”お墨付き”

虐待、パワハラ疑惑も 従業員の聞き取りなし

 菊池市で老人ホームなどを展開する医療福祉系企業は、2018年度にブライト企業となった。しかし2月、市や県の立ち入り調査を受け、入居者に対する虐待があったと認定された。複数の元職員によると、同社の給料は介護業界では比較的高いが、入居者への対応は一部の幹部の指示が絶対だったという。

 元職員らは「幹部は現場の声を聞かず、職員間の申し送りもない。働きやすい職場ではなかった」と打ち明ける。

 40代の男性社長は「情報共有が足りなかった部分はあるが、市の指導を受けて改善中」とした。

 17年度にブライト企業となった熊本市北区の輸入車販売会社には、「ブライトだから」と応募してきた求職者もいたという。ただ今年、役員らによるパワハラ疑惑が社内で問題化。複数の従業員が「役員いよる従業員への暴言や暴力があった」と証言する。

 同社は「一部の幹部に問題的な行為があったが、パワハラには当たらないと認識している」とする。弁護士も交えて調査し、近く従業員に結果を公表する予定だ。

 ブライト企業の審査項目は、社員の離職率が業種平均を下回るかどうかや平均勤続年数、決算状況など20項目。企業から提出された書類による審査が原則で、実際の授業員からの聞き取りなどは実施してない。

 県労働雇用創生課は「数字で見えない部分までは審査できないのは確かだ」と認める。19年度からは制度を一部見直し、社員1人当たりの残業時間や有給休暇取得率、パワハラ防止対策の有無など、より「働く側の視点」を重視した項目を追加した。

 労働現場の問題に詳しい熊本学園大の遠藤隆久教授(労働法)は「大学生は、ブライト企業を、長時間労働や違法残業がない優良企業だと理解して就活している」とした上で、「県は書類審査だけではなく、できるだけ企業に出向いて従業員に聞き取り調査する責任がある」と指摘する。