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2019年10月25日 : ニュース

リカレント教育 働きながらキャリアアップ


(2019年10月20日熊本日日新聞参照)

 仕事をしながら勤務の前後や休日などを使い、あるいは休暇を取って専門的な知識や技術を習得して自身のキャリアアップや自己研鑽を図る「リカレント教育」の機運が高まっている。終身雇用制度が崩れつつあり、人生100年世代と言われる中で、企業や自治体、国は個人の学びを後押ししている。

国、自治体、企業も後押し

 リラクゼーション事業や放課後等デイサービスなどを手掛ける「ミツバファクトリー」(岡山市)は大学と提携し、通信教育で四年制大学の学士や国家資格の取得を希望する従業員に、学費の半分を無返済の奨学金として支給する福利厚生制度を今春に創設。保育士資格を目指す2人の女性が、5月から学んでいる。

 九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の通信教育を受けているパート社員の川手薫さん(46)は「3人の子育てや仕事をしながら時間をつくって勉強するのは大変だけど、とても楽しい。高校を卒業して以来、学びの機会をもらえてありがたいです」。川手さんと一緒に学ぶ林理慧さん(40)も「短大を中退したことを後悔していたので、新しいことに挑戦して目標を持つことの大切さを教わった」と手応えを語る。

 同社社長の江見慎之介さん(43)は「従業員は高卒が多く、コンプレックスを持っている人も。何歳になっても学業に励んで成長し、自分の人生を輝かせてほしい」と期待を寄せる。

 日本は欧米に比べてリカレント教育への意識が個人、企業共に低い。その中で、従業員の自己啓発教育で推進する企業を優良認定する自治体も。

 福井県は「学びなおし・人材育成モデル企業認定制度」を設立し、2013~18年度に15の企業・団体を認定。19年度からは働き方改革の一環として、より多くの従業員が働きながら学べるよう職場環境を整備する新制度をつくるという。

 認定企業の一つ、建設業の「日本ピーエス」(同県敦賀市)は、10年以上前から大学院博士課程に従業員を派遣しているほか、技術士や1級建築士など会社が指定する資格試験の受験料を負担し、合格した社員に一時金を支給している。

人生100年時代見据え「学びなおし」

 厚生労働省も、仕事に関連した専門的な知識や技能習得の機会を従業員に与える企業を対象に「人材開発支援助成金」を給付。支給件数は増加傾向にあり、18年度は約7万1千の企業が助成金を受けた。個人向けには「教育訓練給付制度」があり、給付金受給者は年々増えているという。

 中央大大学院戦略経営研究家の佐藤博樹教授は「仕事をしながら学べることが企業のアピールポイントになりつつある。従業員は5年後や10年後の将来を見据え、学びの時間や習慣をつくって、自身のキャリアアップのために何が必要なのかを考えることが大切だ」と話している。