スマイルシェア

スマイルジャーナル

Smile journal
最新情報・コラム
Information and letters
2019年11月14日 : ニュース

企業が頼る重要な戦力


(2019年11月5日熊本日日新聞参照)

 熊本の人気総菜「ちくわサラダ」などを製造販売している弁当・総菜のヒライ(熊本市西区)も人手不足に悩む企業の一つ。今や、外国人技能実習生が重要な”戦力”だ。

 「カム アン ウォン 飲食禁止」。ヒライ本社工場の壁には日本語とベトナム語の注意書きが並ぶ。「職場はみんな優しくて、応援してくれます」。実習2年目のベトナム人ダウ・ティ・ハ・ミさん(28)が、トマトを切る手を休め、照れくさそうに話す。

 ベトナム中心出身。近くのアパートで同僚と6人で共同生活を送る。日本の家電製品などを見て「日本人の働き方を学びたい」と実習生を希望した。お金をためて、母国で日本料理の店を開くのが夢だという。

 ヒライでは現在、約2,200人従業員のうち、6%の約140人が、ベトナム人実習生だ。本社工場では約30人が働く。

 労働ではなく、技能を母国に持ち帰ることが目的である技能実習の作業には縛りがある。1日の実働7時間の半分以上は、「食材下処理の準備」や「大型製造用調理機械・器具の準備・運転・操作」など、技能向上への必須作業に充てなければならない。

 それでも「勤勉で探求心が旺盛」(髙本浩也管理本部次長)なベトナム人実習生たちは頼もしい存在だ。弁当・総菜工場にとって重要な「夜10時から翌朝6時までの深夜帯」にも進んでシフトに入ってくれるという。もちろん、深夜手当も支給される。

 ヒライが初めて5人の実習生を受け入れた2014年、県内の実習生は2,493人だった。10月には2.5倍の6,295人に増加。今や実習生は、労働力不足に悩む県内の多くの経営者が頼る存在だ。

 「日本でもっと働きたいです」。県南の食料品関係の工場で働くベトナム人技能実習生女性(22)の表情はさえない。ベトナムに夫(27)や長女(3)を残して単身で来日。昼は工場で働き、夜は日本語の勉強に打ち込む毎日だ。しかし、来年1月で実習期間の1年が経過するため帰国しなければならない。

 技能実習生は1号(1年間)、2号(2年間)、3号(2年間)と段階的に移行する形で、最長5年の滞在が認められている。ただし、国が2号への移行を認めているのは80職種の144作業のみ。「技能検定制度が整っている」という理由で、これらに含まれない現場では、実習生は1年しか雇えない。

 女性が働く工場の女性役員(58)も不満をこぼす。「会社としても働いて欲しいのに、なぜ似たような作業でもうちは1年なのか。業界内では『2号に認めてもらうには政治力が必要だ』といった声も聞く」と打ち明ける。