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2019年11月27日 : ニュース

熊本発SDGs 人材の確保 自社の強み 発信に工夫


(2019年11月6日熊本日日新聞参照)

 平田機工(熊本市北区)は、自動車や半導体関連部品生産設備や産業用ロボットを世界市場に供給するトップメーカー。県内に本社を置く製造業で唯一、東証一部に上場している。

 企業間取引が主体のいわゆる「B to B企業」。業務で接するのは企業で、一般消費者との距離は遠く、学生の間での知名度は高くないという。「社員採用に支障は出てはいないが、今後を考えると若い世代に平田機工を知ってもらう必要がある」と藤本靖博常務執行役員(61)。

 2017年の上場に合わせて始めたのがテレビCMの放映だ。県内の自然豊かな風景と工場の様子を織り交ぜ「世界に誇るモノづくりを、熊本から」と発信する社としては初の試み。その後の就活生の応募状況などから、藤本常務は「リクルートに一定の効果があった」とみる。

 企業の将来に影響を与える人材の確保。大手企業も工夫が求められる現状に、中小企業は一層、危機感を強めているはずだ。しかし「企業側が知恵を絞っているとはいえない」と企業専用インターネットTV局を運営するカウテレビジョン(福岡市)の自覚拓道さん(38)は手厳しい。

 カウ社は、民放テレビ局の元報道記者が設立。企業の特徴を客観的に捉えて制作するドキュメンタリー映像を駆使し、求人につなげる事業を展開。福岡を中心に雇用促進分野で実績を伸ばしている。

 6月、熊本に進出。担当部長の自覚さんはこの数カ月、県内企業を訪ね歩いた。「どの企業もポテンシャルは高いが、そのすごさを発信しきれていない。経営陣が山積する課題を打破するため『欲しい人材』を思い描いても、就活サイトでそこそこの人を集めている採用担当者に危機感がないケースは多い」

 

 八代市の西田精麦はカウ社に発注し、就活生に発信するドキュメンタリー映像を制作中だ。麦の外皮を削り磨く精麦を手掛け、焼酎やみその原料、家畜用飼料を出荷。近年は九州産大麦をフレークにしたグラノーラなど食用品の製造・販売に力を入れている。

 「これまで情報発信は得意ではなかった。就活生に会社の業務内容をきちんと理解してもらいたい」と西田啓吾社長(36)。17年には社内で採用強化プロジェクトを開始。「成長意欲があり、新しいことを自分でやってみたいと考える人」を求めているという。

 入社5年目の宮嶋茜さん(26)はグラノーラの新商品を担当、食品部門の企画開発に携わる。自身は就活前、自社の名前さえ知らなかったが、出演予定のドキュメンタリー映像では「会社の良さを伝えたい」。今は仕事の中身とやりがいを発信する意義を感じている。