スマイルシェア

スマイルジャーナル

Smile journal
最新情報・コラム
Information and letters
2020年3月11日 : ニュース

男女役割「刷り込み」変えて


(2020年3月8日熊本日日新聞参照)

中満泉(なかみつ・いずみ)63年東京都生まれ。早稲田大卒、米ジョージタウン大院で修士号取得。89年国連入り。旧ユーゴスラビア担当国連事務総長特別代表上級補佐官などを歴任。05~08年、一橋大教授。国連平和維持活動(PKO)局アジア中東部長や国連開発計画(UNDP)危機対応局長を経て17年5月1日に軍縮担当上級代表(事務次長)に就任。スウェーデン人外交官の夫との間に2女。

「日本は以上であることに気付いてさえいない」。国連日本人職員の最高位、事務次長の中満泉・軍縮担当上級代表(56)は8日の「国際女性デー」を前に共同通信の単独会見に応じ、日本に男女格差が根深く残る理由として、制度や文化に加え、男女役割の「刷り込み」が大きいと指摘した。「全制度を総動員し、いろいろなことを同時進行で変えていかないといけない」と訴えた。

 日本の女性に「女性だからできないことなど一つもない。何でもできると信じ、努力することが必要だ」とエールを送った。

 20代で国連に入り、海外生活が長い中満氏は「日本社会には生活のあらゆるところに刷り込みがある」と指摘。「テレビの討論番組では男性が難しいことを言い、お飾りのようにサブのキャスターで女性が付く。ドラマでも会社で会議するのは男性で、制服を着た女性がお茶を持ってくる。子どもたちは『社会はこうゆうものだ』と刷り込まれる。自分で気付かないほどに」と説明。「ものすごく異常」と評した。

 国会の女性議員比率で国際社会の下位に低迷する日本。外交官である夫の出身国スウェーデンを引き合いに出し「議会選挙は比例代表制で、候補者の名簿順位は男女交互なので、当選者も男女同数。女性有権者に投票してもらうため、どの党もそうしている」と述べた。

 グレテス国連事務総長は1月、年初時点で幹部職員の男女同数を予定より2年早く達成したと演説。2028年までに全職員の男女同数を実現する目標を掲げる。

 女性比率の低さに加え「日本はシングルマザーの平均年収が極端に低い」とも指摘。「結婚していても1人でも、働きながら子育てできる環境が必要だ」と力説した。

 その点で、小泉進次郎環境相の育児休業取得を「非常に良い」と称賛。「20年以上前にスウェーデン国連大使が育休取得だけでなく時短勤務もやり、午後4時に子どもを保育園に迎えに行っていた。組織文化を変える上で、上に立つ人の行動は非常に重要だ」と語る。

 「女性の側の責任もある。産休や育休を取ってもなお、自分を雇用していることがプラスだと思われるだけの成果を出す。会社もそれを正当に評価しなければいけない」。自身は帰国子女でなく「日本の普通の女性」であるという中満氏は「どうしても嫌になったら、外に出てくればいい。それで損するのは日本だ」と話した。