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2019年3月19日 : ニュース

無償化より「受け皿を」


(熊本日日新聞2019年3月17日参照)
 認可保育所の一次選考で、今年も「落選」が相次いだ。入所が決まらなかった保護者はその後、認可外保育所やベビーシッターの検討など、次の選択肢を探す”第2保活”に奔走する。待機児童が解消されない現状に、「無償化よりも保育所整備や保育士の確保を」と受け皿の拡充を求める声は切実だ。一方で自治体は現場の疲弊や保育の質の低下を懸念する。
【落選保護者 待機児童解消訴え】

「私に春は来るのか。不安で仕方ない。」2児の母の堀越千代さん(43)=東京都中央区=は、1歳の次女が1次選考で13の認可保育所に落選。2次選考にも申し込んだが、枠は少ない。やむなく、楽しみにしていたスキー旅行をキャンセルし、夫と手分けして認可保育所を見て回った。「10年以上中央区に住んでいて、町会のイベントにも積極的に参加している。入れないはずがないと油断していた」。勤務する出版社に4月に復職予定で、ベビーシッターの活用も検討する。

~自責~
 堀越さんは2月下旬、都内で開かれた「第2保活セミナー」に参加。主催者で保活アドバイザーを務める山下真実さん(40)は、「保活がうまくいかないと『自分kが悪かった』と自責の念にかられるママもいますが、あなたのせいではありません」と助言。「足を止めないことが重要」と念を押し、認可外など一つでも多く申し込むよう勧めた。

~順番~
 「#無償化より全入」。10月から始まる幼児教育・保育無償化。安倍政権の看板政策だが、保活に苦しむ保護者から全面的に歓迎されているわけではない。ツイッターでは、希望する全ての人が保育所に入れる「全入」に向け、整備を優先すべきだとの声が多く上がった。
 保護者による「みらい子育て全国ネットワーク」代表の天野妙さんは、「無償化に反対しているわけではないが、順番が違う」と指摘。現状では、保育所に入所できたとしても自宅や職場、駅から遠い場所になるケースが多いといい、こうした問題の解決にも取り組むべきだと訴える。

~疲弊~
 自治体からは、無償化が保育の質に影響することを不安視する声が上がった。
 国は認可外保育所も無償化の対象とすることを決めたが、保育所の死亡事故は認可よりも認可外の方が圧倒的に多い。東京都杉並区は「子どもの安全を十分に確保できるのか」と心配する。

 待機児童数がゼロの京都市は「11時間の保育標準時間を一律に無償化すれば、利用が長時間化し、子どもの育ちを支える現場が疲弊する」と懸念を示す。
 保育に詳しいジャーナリストの小林美希さんは「待機児童の解消や保育士の処遇改善、質の向上など、課題は山積している。無償化は消費税増税を納得させるための人気取り政策で、今やるべきなのか疑問だ」と批判した。