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2019年5月30日 : ニュース

就職「男子学生が有利」


(2019年5月25日熊本日日新聞参照)
 1986年の男女雇用機会均等法の施行以降、増え続ける「働く女性」。新たな分野への進出も目立つ。ただ、不安定な非正規雇用が圧倒的に多く、妊娠・子育てしながらの就業や、男性との昇進格差などの問題は依然として残ったまま。熊日の年間計画「働き方時代 くまもと」第2部は「女性新景」と題し、県内で働く女性の「今」に迫る。

売り手以上も 見えない「壁」
「やっぱりダメか…でも、どうして…」。5月上旬、熊本市東区にある県立大の就職相談室。営業職を目指す総合管理部4年の女子学生(21)はため息をついた。
 死亡していた物流会社の就職サイトを開くと、過去3年の営業職の採用実績は全員男性。逆に事務職は全員女性だった。「この会社は、女性を営業戦力とは見ていないんだ…」。悔しさをこらえ、応募クリックの手を止めた。
 3月1日に解禁された学生の就職活動は、人手不足を背景に今年も「売り手市場」が続く。だが、女子学生が内定を勝ち取るまでには、採用数や職種などに見えない「壁」が立ちはだかる。
 同級の男子学生(21)からはこんな意見も。男女合同の集団面接で、「人生設計についての質問は、女子学生ばかりに集中する。男だって育休を取得しようと思っているのに、会社は想定もしていないみたい」。
 県立大で就職相談員を務める福田智子さん(43)は「入社試験の得点や面接の応対を見れば女子が優秀だとしても、レベルを下げても男性を取らざるを得ない企業もあるようだ」と話す。あるメーカーから「求人票には書いてないけど、実際の想定は男性。男子学生を紹介してほしい」と言われたことがあるという。「結婚や出産のために退職したり、休まざるを得ない時期が出てくる女性に対し、男子学生の方が有利になることは、少なからずあるのでは」と福田さんは分析する。
 昨年、複数の大学医学部入試で女子の得点を実質減点するなど不正に操作されていたことも発覚した。背景には、救急などの不規則な現場では女性より男性がフル稼働できるという「誤った判断」があると指摘された。
 確かに、女性は妊娠・出産、育児などの人生のステージに応じて働き方が変化することが多い。ただ、それは女性ならではの働き方ができるという「長所」になりうるとして、女性のキャリア育成に力を入れる大学もある。
 県内唯一の女子大である尚絅大では、全学年を対象に年2回、合同企業説明会やマナー講座を含めたキャリアガイダンスを実施。自分らしく自立した「女性像」を見つけることに力を入れる。
 ガイダンスの講師は20代の若手社員から50代の管理職で、栄養士や銀行員など職種もさまざま。就職課の担当者は「OGから具体的な話を聞き、学生に家庭と仕事と両立するイメージを持ってもらう。女性がより長く働けることにつながるがはずだ」と力を込める。