県内主要企業22年春新卒「採用あり」2年連続減

トピックス2021/4/15

 熊本日日新聞社と地方経済研究所(熊本市)は6日、県内主要企業を対象に実施した2022年春入社の新卒採用計画アンケートの結果をまとめた。「新卒採用の計画がある」と回答したのは前年比0.7ポイント低い85.0%で、2年連続で減少した。新型コロナウイルスの感染拡大が影響したとみられ、業種による採用姿勢の違いも出ている。

 採用計画があると答えた割合を業種別にみると、建設の95.0%が最も多く、卸売り・小売りが88.9%で続いた。最も少なかったのはサービスの73.7%、次いで金融・保険の81.8%。

 採用計画に「コロナの影響がある」と答えたのは45.6%。ただ、採用計画が「なし」または「未定」と答えた企業に限ると、69.6%に高まり、コロナが採用動向にマイナスの影響を与えていることがうかがえる。

 22年春の採用計画数を「今春実績より増やす」としたのは21.8%で前年比2.8ポイント増加。ただ、直近5年間では2番目に低い水準にとどまった。一方、「減らす」は10.9%で前年比2.7ポイント増加。「今春は実績並み」は49.7%で7.4ポイント低下した。

 採用を増やす企業は、「巣ごもり需要」の恩恵を受けるスーパーなど流通関係や建設に多く、人材確保に積極姿勢を見せている。一方、バスやホテルなどでは採用抑制の動きが出ており、コロナによる外出自粛の影響もありそうだ。

 新卒者を採用する理由(複数回答)については「毎年計画的に採用している」が93.6%で、前年に引き続き最多。「退職者の補充」33.6%、「人手不足への対応」28.0%と続いた。

 アンケートは2月末~3月中旬に実施。147社から有効回答を得た。(2021年4月7日熊本日日新聞)