住宅模型 多様なニーズ
「営業に使いたい」「思い出残したい」
建物の防水塗装などを手掛ける「フジプルーフ工専」(熊本市南区近見)が10年ほど前から制作している住宅模型キットが、全国に販路を広げている。住宅メーカーが営業用に活用するほか、「家の思い出を残したい」など、多様なニーズに応えている。同社の総務担当、藤本純笑さんによると住宅模型は従来、若手の設計士や住宅メーカーの社員らが手作りすることが多いが、時間がかかる上に仕上がりの差が大きいという。
そこで同社は、建物の平面図と立面図を基に設計士が図面を作り、厚さ2~3ミリのスチレンボードをカットした模型キット「dekita(デキタ)Ⅰ」(標準的な住宅で1万2100円から)を開発。住宅メーカーなどに販売している。組み立てた模型は実際の建物の60分の1の大きさ。間取りや階段なども再現され、屋根や床を取り外して内部の様子を確認できる。メーカーの営業マンが”最後の切り札”として顧客に模型を見せることで、契約につながることも多いという。藤本さんは「全体像をつかみやすく、同じ物を見ながら打ち合わせできるのが模型の利点。組み上げる過程で図面の矛盾が明らかになり、設計士から感謝されることもある」と話す。
特注でマンションの間取りや大型ビル、健康診断用の大型車両も制作。当初、想定していなっかた鉄道ジオラマ用や、家主から「取り壊すことになった家の思い出を残したい」という注文もあるという。また、同社は接着不要で組み立てられる「dekitaⅡ」や、建築を学ぶ学生向けの「アカデミック版」を商品化。今後は高齢者施設の入所者が気軽に工作を楽しめるキットも開発する方針だ。組み立てる時間や技術がない顧客に向けては、同社の「模型士」が完成させて届けるサービス(8800円から)も。子育てなどで外で働けない人の雇用にもつながっている。
同社はこれまで制作した模型を一堂に集めた博物館を2019年9月、同社近くに開設。「家づくりを考えている人や、アイデアを求める建築士らに見てもらいたい」と藤本さん。博物館で一定期間展示した模型はネット販売しており、映像制作者が背景用などに購入するケースも。藤本さんは「住宅模型を事業として営む会社は全国的にも少ない。収益の柱に育てていきたい」と意気込む。(※博物館は入館料350円)
(熊本日日新聞 2021.6.13より抜粋・引用)
個人的にとても好きな内容の記事です。本当に面白い取り組みだと思います。持ち前の技術を活かし、自社の新しい取り組みを上記のように、様々なニーズに向けての提供、改善、また高齢者施設の方々への工作キット、更に在宅ワーカーへの雇用にもつながっているとは大変驚きです。常に一つの事柄を違う角度から見続けた結果ではないかと思います。平面的なものを立体的に、実際に組み立ててみないとわからなかった図面の矛盾点など、設計士さんからしても新しい観点で発見があると思います。なにかと行き詰まることの多いここ最近の世の中ですが、このように物事をただ正面から見るのではなく、立体的に上から・下から・360度じっくり見ることで、今起こっていることの何かが改善に導けることを発見できそうですね。
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