食品ロス削減 大手参入
「フードドライブ」店舗で回収・寄付 取り組み増 関心高まる
家庭で余っている食品を回収して寄付する「フードドライブ」に、県内で大手コンビニチェーンやスーパーが相次いで取り組み始めた。住民が気軽に食品を持ち込める場所が増え、食品ロス削減に貢献できる環境が整いつつある。
ファミリーマートは8月から、県内約200店舗のうち28店(10日現在)でフードドライブを始めた。賞味期限まで2カ月以上ある未開封の常温保存食品を常時受け付ける。店舗ごとに決められたNPOなどの「協力パートナー」が回収して活用する仕組みだ。熊本市南区の「熊本平成けやき通り店」は、店内のイートインスペースそばに回収ボックスを設置。県子ども食堂ネットワークの西田麻美さん(30)が週1度回収する。西田さんは、店長を務める同市中央区出水のカフェで月1回、子ども食堂を開いており、その食材などを使う。
西田さんんは「生活に身近なコンビニの取り組みはありがたい。地域での活用が広がってほしい」と期待。ファミリーマート広報部は、「住民が気軽に利用できるよう、実施店舗を増やしていきたい」と話す。同社は国連の「持続可能な開発目標(SDG’s)」推進に向け、4月からフードドライブを全国展開。実施店舗数は480を超えた。
食品スーパー「ゆめマート」を展開するイズミも、4月から九州や中国地方の37店舗でフードドライブを開始。県内では玉名(玉名市)、田崎(熊本市)、大江(熊本市)、松橋(宇城市)の4店舗で受け付けている。7月23日時点で、4店舗で計約940個・210キロが集まった。小麦粉やお菓子、サラダ油などが寄せられており、フードバンク熊本に寄贈している。イズミ広報課は「地域の関心の高さを感じている」といい、取り組みを継続していく考えだ。
食品販売の熊本ネクストソサエティ(熊本市)と熊本日日新聞社は2019年から、同市中央区上通のびぷれす広場で毎月、食品ロス削減を目指す即売会を開き、フードドライブも実施している。
(熊本日日新聞 2021.8.20より抜粋・引用)
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