全産業 経常利益0.7%減
トピックス2021/3/12

経済再開、コロナ前回復 10~12月期
財務省が3月2日発表した2020年10~12月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同月比0.7%減の18兆4505億円で、7四半期連続のマイナスとなった。減少幅は7~9月期の28.4%減から大幅に改善した。経済活動の再開を反映し、新型コロナウイルス感染拡大前の水準をほぼ回復した。製造業に限るとプラスに転じた。
欧米ではワクチン接種が進み、今後の一層の活動再開が期待されている。ただ国内では全国民への接種時期が見通せていない。政府は1月に緊急事態宣言を再発令しており、足元では景気が再び落ち込んでいる可能性がある。
財務省の担当者は「コロナで依然厳しい状況にあるが、総じて言えば持ち直している」との見方を示した。
10~12月期は特に製造業の改善が目立ち、経常利益は21.9%増の7兆1837億円と10四半期(2年半)ぶりに増加。国内販売が伸びた自動車など輸送用機械が68.1%増、生産用機械が71.7%増と好調だった。
非製造業は11.2%減の11兆2668億円。卸売業、小売業は30.4%増だった一方、外出自粛による旅客需要の低迷で運輸行、郵便業が大幅に落ち込んだ。業績の回復は二極化が鮮明になっている。
設備投資は4.8%減の11兆761億円で、3四半期連続マイナスだった。製造業は8.5%減の3兆8,700億円で、食料品が29.2%減となった。非製造業は2.6%減の7兆2060億円で、運輸業、郵便業などが振るわなかった。
売上高は4.5%減の332兆903億円となり、6四半期連続のマイナス。製造業は5.4%減の95兆4256億円、非製造業は4.1%減の236兆6647億円だった。(2021年3月3日熊本日日新聞)