全日空 1日5時間勤務導入 来月から理由不問、地上職に
トピックス2021/3/13
全日本空輸が、本社や空港で事務や機体整備に携わる地上職の希望者向けに、理由を問わず1日5~7時間の短時間勤務を選べる制度を4月から導入することが10日分かった。育児や介護で短時間勤務を認める企業はあるが、目的を限定しないのは異例。新型コロナウイルス流行による業績悪化を受けて、雇用を維持したまま人件費の圧縮を進め、働き方の自由度も高める。
地上職のうち、運行管理などに従事するシフト勤務者には週休最大4日の「短日数勤務制度」も4月に導入する。対象は全日空の従業員約1万5千人のうち、短時間勤務が約3300人で、短日数勤務は千人となる。
短時間勤務を選んだ場合、年間の所定労働時間は1~4割減となる。賃金は勤務時間に応じて減額する。昨年6月から試験的に導入しており、今年4月から恒久的な仕組みとする。
もともと育児や介護を目的とした時短制度があり、これらに加えて資格取得やボランティアといった理由での取得を想定している。育児目的の現行制度は小学校3年生が上限だが、小学校4年生以上でも取得できる。勤続3年未満の社員やグループ外への出向者は対象から外す。
育児や介護以外では、ボランティアや健康不安などを理由に認める企業はあるが、厚生労働省の担当者は「理由を問わない事例は聞いたことがない」と話す。
全日空が中核のANAホールディングスでは、2021年3月期連結決算の純損益は過去最悪の5100億円の赤字になる見込み。保有機材や人件費を減らすなど固定費の削減を進めている。(2021年3月11日熊本日日新聞)